2011年8月20日土曜日

電気火災の原因:トラッキング現象

電気や電気製品に関わる火災(電気火災)が、東京消防庁管内で平成22年中に1,079件発生し、全火災の21.2%を占めているそうです。1日約3件発生していることになります。多いような気がします。

そのうち、トラッキング現象による火災は、75件

聞いたことはありましたが、怖さを認識していませんでした。自宅の冷蔵庫やビデオのコンセントは差しっぱなし。

コンセントに差したプラグのさし刃間に付着した綿ほこり等が湿気を帯び、微小なスパークを繰り返し、やがてさし刃間に電気回路が形成されて微小な短絡電流が流れ発熱、発火するとのこと。微小な短絡電流なので、20Aなどの通常のブレーカは反応せず、防止できないそうです。

1年に1回は、プラグを抜いて清掃しましょう。

(2011/08/21追記)
消防白書に全国のデータがありました。東京消防庁のデータとの対比がうまくできませんが、掲載します。トラッキング現象は、配線器具の中の「短絡」になるかと考えます。「その他」かも知れません。


(2011/08/21追記2)
平成21年の東京消防庁のデータがありました。発火源は、もっと細かい分類で記載されていますが、大分類でまとめたものです。「差し込みプラグ」48件、「コンセント」51件です。


2011年8月18日木曜日

病院のコンセント

今朝のNHKニュースで、病院の電源確保のことを放送していました。

白、赤、緑のコンセントがあり、普段はどれも商用電源から供給されている。

商用電源が絶たれると、
  • 緑:バッテリから供給される。さらに自家発電が立ち上がり、バッテリに供給される。
  • 赤:いったん供給されなくなるが、自家発電が立ち上がると、そこから供給される。
  • 白:供給されない。
緑には、人工呼吸器など生命の維持に少しも止められないもの、
赤には、点滴のスピードを調整する機械などをつなぐとのことでした。

今までは、停電をことをあまり意識せず、ふんだんに使っていたそうです。カルテを
みるパソコンも今までは赤からとっていたが、必要最小限のものだけにし、それ以外は
白につなぐようにしたいとのこと。

実際に運用されているかどうかは別にして、病院では生命に関わる重要な機器があるので、
備えるよう考えられているということですね。

JIS T1022:2006 病院電気設備の安全基準
病院、診療所などに設ける電気設備のうち、医用接地方式、非常電源及び医用室の電源回路に対する安全基準について規定したもの

を調べてみました。

商用電源が停止したとき、電力供給を回復するまでの時間によって、3種類の非常電源が規定されています。

  • 一般非常電源 40秒以内に回復 自家発電設備で10時間連続運転
  • 特別非常電源 10秒以内に回復 自家発電設備で10時間連続運転
  • 瞬時特別非常電源 0.5秒以内に回復 蓄電池で10分間連続、その間に自家発電に自動切替え

コンセントの色については、「外郭表面の色」として次のように規定されています。
商用電源 白
一般表電源 赤
特別非常電源 赤(特別非常電源であることを表示)
瞬時特別非常電源 赤(瞬時特別非常電源であることを表示) ただし、交流無停電電源装置から供給されるコンセントは、緑としてもよい。

ということで、NHKのニュースと合致します。 





2011年2月8日火曜日

交直切替器

最近、鉄道の電気に興味をもっています。

鉄道博物館で勉強してきました。

交直切替器の展示を写真撮影しましたが、もう少しうまく撮りたかった。

2011年1月5日水曜日

融雪用電力 その2

雪は少ないですが、消雪パイプが稼働しました。200V 50Aです。
(夏の様子はこちら)

2010年11月14日日曜日

高圧カットアウト

実に久しぶりの投稿になります。今回は、ビデオに挑戦しました。

2010年9月23日木曜日

電気はタンス好き

電気を勉強していると、なじみのないことばがたくさんでてきますが、たくさんの「~タンス」が出てきて、イメージがわきません。

飯田芳一著,「電気回路が分かる本」,オーム社,2001年,p.50 オームの法則(2)の一ページに出てくるタンスの数々を紹介しましょう。

インピーダンス
リアクタンス
インダクタンス
アドミタンス
コンダクタンス
サセプタンス

これらがすらすらと説明できるようになることを目指して。ここで、整理します。

考えてみると、「抵抗」も英語では「レジスタンス」ですから、英語に多いだけなのかも知れません。

-ance 接尾 「量・程度」を表す名詞を作る。例 conductance (ジーニアス英和辞典)

tやdで終わる言葉に ance がついて、タンスやダンスになり、量・程度を表す名詞になっているということですね。量を表している言葉ですから、よく数式の中で出てくるのもうなずけます。

では、タンスのもとの言葉で整理します。

  • インピード impede 邪魔する、妨げる
  • リアクト react 反発する
  • インダクト induct -> induce 誘導する
  • アドミット admit 許容する 
  • コンダクト conduct 導く
  • サセプト suscept この言葉は、感受体という学術用語しかありません。 susceptibility 影響を受けやすい
まったく整理になっていません。

直流回路の「抵抗」が交流回路の「インピーダンス
インピーダンスは、抵抗分と「リアクタンス」分からなる。
リアクタンスは、コイルの「インダクタンス(誘導係数)」とコンデンサの「キャパシタンス(静電容量)」が関係する。
インピーダンスの逆数が「アドミタンス」。電流の流しやすさを表す。

アドミタンスは、「コンダクタンス」と「サセプタンス」からなる。(どう使われるかが分かりません)

コンデンサは高周波電流ほどよく通す。

コンデンサは高周波電流ほどよく通すことを体感するため、SPICEシミュレータで実験してみました。

800mAの定電流電源に対し、コンデンサC1と抵抗R1が並列に接続されている回路を作ります(図1)。周波数は、50Hzから20KHzまで変化させます(図2 X軸)。コンデンサの容量を0.5uFから10uFまで0.5uF間隔で変化させてプロットします(図2 グラフ)。

図1 回路図
図2の緑の線が抵抗R1を流れる電流、青の線がコンデンサC1を流れる電流を表します。
  1. コンデンサC1を流れる電流は、周波数が高いほど、容量が多いほど大きい。
  2. C1とR1の電流が等しくなるときの電流値は、C1の容量に関係なく565mAである。
ことが分かります。
図2 コンデンサと抵抗に流れる電流値 R1 50Ω固定 C1 0.5uFから10uFまで0.5uF刻みで変化
X軸:周波数(対数) Y軸:電流値

2の565mAという値は、R1の抵抗値を変化させても変わりません(図3)。
図3 C1 1.5uF固定 R1 10Ω~100Ωまで10Ω刻みで変化
800mAを√2で割ると、565.7ですから、そのへんに秘密がありそうです。

コンデンサの位相は90°進んでいますから、C1の電流とR1の電流が等しくなるとき、全体の電流値は、C1の電流値とR1の電流値で作られる正方形の対角線に相当します。したがって、C1の電流値の√2倍が800mAとなり、C1の電流値は800mAを√2で割った値となります。

すっきりしました。