2010年9月23日木曜日

電気はタンス好き

電気を勉強していると、なじみのないことばがたくさんでてきますが、たくさんの「~タンス」が出てきて、イメージがわきません。

飯田芳一著,「電気回路が分かる本」,オーム社,2001年,p.50 オームの法則(2)の一ページに出てくるタンスの数々を紹介しましょう。

インピーダンス
リアクタンス
インダクタンス
アドミタンス
コンダクタンス
サセプタンス

これらがすらすらと説明できるようになることを目指して。ここで、整理します。

考えてみると、「抵抗」も英語では「レジスタンス」ですから、英語に多いだけなのかも知れません。

-ance 接尾 「量・程度」を表す名詞を作る。例 conductance (ジーニアス英和辞典)

tやdで終わる言葉に ance がついて、タンスやダンスになり、量・程度を表す名詞になっているということですね。量を表している言葉ですから、よく数式の中で出てくるのもうなずけます。

では、タンスのもとの言葉で整理します。

  • インピード impede 邪魔する、妨げる
  • リアクト react 反発する
  • インダクト induct -> induce 誘導する
  • アドミット admit 許容する 
  • コンダクト conduct 導く
  • サセプト suscept この言葉は、感受体という学術用語しかありません。 susceptibility 影響を受けやすい
まったく整理になっていません。

直流回路の「抵抗」が交流回路の「インピーダンス
インピーダンスは、抵抗分と「リアクタンス」分からなる。
リアクタンスは、コイルの「インダクタンス(誘導係数)」とコンデンサの「キャパシタンス(静電容量)」が関係する。
インピーダンスの逆数が「アドミタンス」。電流の流しやすさを表す。

アドミタンスは、「コンダクタンス」と「サセプタンス」からなる。(どう使われるかが分かりません)

コンデンサは高周波電流ほどよく通す。

コンデンサは高周波電流ほどよく通すことを体感するため、SPICEシミュレータで実験してみました。

800mAの定電流電源に対し、コンデンサC1と抵抗R1が並列に接続されている回路を作ります(図1)。周波数は、50Hzから20KHzまで変化させます(図2 X軸)。コンデンサの容量を0.5uFから10uFまで0.5uF間隔で変化させてプロットします(図2 グラフ)。

図1 回路図
図2の緑の線が抵抗R1を流れる電流、青の線がコンデンサC1を流れる電流を表します。
  1. コンデンサC1を流れる電流は、周波数が高いほど、容量が多いほど大きい。
  2. C1とR1の電流が等しくなるときの電流値は、C1の容量に関係なく565mAである。
ことが分かります。
図2 コンデンサと抵抗に流れる電流値 R1 50Ω固定 C1 0.5uFから10uFまで0.5uF刻みで変化
X軸:周波数(対数) Y軸:電流値

2の565mAという値は、R1の抵抗値を変化させても変わりません(図3)。
図3 C1 1.5uF固定 R1 10Ω~100Ωまで10Ω刻みで変化
800mAを√2で割ると、565.7ですから、そのへんに秘密がありそうです。

コンデンサの位相は90°進んでいますから、C1の電流とR1の電流が等しくなるとき、全体の電流値は、C1の電流値とR1の電流値で作られる正方形の対角線に相当します。したがって、C1の電流値の√2倍が800mAとなり、C1の電流値は800mAを√2で割った値となります。

すっきりしました。

2010年9月12日日曜日

落雷擬似体験



東京都立産業技術研究センターの施設公開での雷の実演。雷インパルス発生装置があり、150万Vと言っていたような気がします。

「バン!」という非常に大きな音。ゴルフクラブを持っている人形に落雷しています。

他にも、50万Vの交流を発生させることができる装置があり、耐圧実験に使われているそうです。

展示されていた機器の写真です。

高圧受電用過電流継電器
高圧地絡継電器

LANケーブルを作成

地方独立行政法人 東京都立産業技術研究センターの施設公開の体験型イベントで、LANケーブルを作りました。

その回の受講生は、騒々しい中学生の男4人組(騒々しいのは2人だけだが)と僕の5人。僕は赤外線研究室の先生が熱く語ってくれて抜け出せず、予定の時間に15分遅刻。途中から参加して作り始めました。はじめての体験。

ケーブルの被覆をはがし、中の8本の線を指定の順番に並び替え、プラグをつける。それを両側やっておしまい。

今から考えると簡単です。でも、やったことない人にとっては、こつが分からないのです。

①被覆をはがすといっても、何に注意したらいいの?強引に引っ張っても大丈夫?

②8本の線を指定の順番に並び替えるって、どの程度丁寧に?

③プラグをつけるときの注意事項は?

結局、導通検査で、2本NGとなり、片側やり直し。どちらが悪いかは、見た目でも分かった。③でプラグの奥まで線が届いていなかったため、プラグをかしめても導通しなかったのです。2度目はOKでした。

インターネットを検索すると、LANケーブルの自作を丁寧に解説したページがいくつか見つかりました。今回作成LANケーブルは、次のもののようです。

カテゴリー5または5e、UTP、単線仕様、保護ブーツ付、B配線、プラグRJ-45

やってみると理解が深まりますね。